院長ブログBLOG

高熱が続くと頭が悪くなる?

「高熱が続くと頭が悪くなると言いますが、大丈夫ですか?」

これは以前は良く質問されましたが、今は殆どいません。 昔、医学的な知識が無かった頃、高熱が続く病気の中に、脳炎、髄膜炎 (昔で言う脳膜炎) 等が含まれていた為でしょうか? 昔は、熱が出ても、その原因究明に限界があって、困難だった事もあるかと思いますし、抗生剤等の治療も限界があったのでしょう。 私の答えは、

「熱が出る原因が脳炎、髄膜炎等、脳の障害が出得る物であればその可能性がありますが、他の原因であれば、単純に高熱で脳の障害が出る事はありません。」 というものです。 あくまでも、何処がやられているか、が問題ですね。 しかし、敗血症のように、細菌が、血流に乗っていたるところに運ばれ、脳にも達して脳障害をもたらす事もありますが、あくまでもそれは、脳炎や髄膜炎を併発してですから、部分的に脳炎等の為です。単純に熱のみによって、脳の障害をもたらす事はありません。

それから、高熱によって意識障害、譫妄 (俗に言う熱にうなされる、見えない物が見えると言ったり、怖がったりする、中には、ケラケラ笑ったりする事もあります) が認められると、”頭がおかしくなった” と感じるのではないでしょうか? これは、熱が下がれば、元に戻りますので大丈夫ですよ。 只、その最中はかなり驚くようですね。 大体こういう事は、夜起こるので余計いけません。親御さんの心配は良く判ります。

さあ、それでは、人間の体温はどこまで上昇するのでしょうか?

ますます心配になってはいけませんが、熱中症、では 「41度を超えると脳障害をきたす」 となっています。 しかし、私の経験では、子供の熱で、41度を超える事は時々ありますね。しかし多くは、夜、短時間ですので、脳障害は残りません。 長時間はまずいです。熱中症では、長時間、高体温になるからでしょう。病気で高熱になった時は、上手に解熱剤を使う事ですね。

さて、人間の体は、43度以上が数時間続くと耐えられないとなっています。  しかし、脳の一部、視床下部という大切な場所によって、体温調節が行われ、無制限に体温が上昇する事は無い、と医学書に書いてあります。 さすがに、43度以上なんて普通はあり得ないので、経験がありませんが、熱中症の場合はこうなるのかもしれませんね。健康の為にする運動で、熱中症という病気になるのは避けたいです。しかも、障害が残るのは絶対に困りますね。 ついでに言いますと熱中症というのは、重い病気でして要注意ですよ。

夏、ちょっと熱が出ると 「熱中症でしょうか?」 という方が多いのですが、本物はもう少し重症です。 笑って、「違いますよ」 と言うようなら結構な話です。

 

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