これは、前回から書いている物の3番目の講演の題です。 やはり小児のアレルギー疾患は、赤ちゃんの時のアトピー性皮膚炎、食物アレルギーから、喘息、アレルギー性鼻炎 と言う風に姿形を変えて進展して来るというのが、最大の特徴ですね。これは、いつも言われます。 だって大人の人で、胃炎から癌になると言う事はあるでしょうが、胃という臓器は変わりません。 ところが、小児のアレルギーは、皮膚、胃腸管、気管支、鼻の粘膜、と言う風にドンドン年齢と共に姿をかえるんですよ。ややこしいのですが、医学的には面白いですね。 どうなってるんだろうと思いますね。
さて、現在の研究から、肥満、糖尿病、動脈硬化、等の生活習慣病が、慢性の炎症性の病気で、その元はなんと胎児、つまりママのお腹に中にいるときから始まっている、という考えが出てきているんですって。 そして、なんと、アレルギー疾患もママのお腹の中にいる時から始まっていると言う考えが出てきているんだそうです。しかし、これは、妊娠中に卵を食べたから、赤ちゃんが卵アレルギーになった、というような単純な話では無いようでした。(実際、ママのお腹の中にいる時、ママが卵を食べたら卵アレルギーになる訳ではありませんので、誤解しないで下さいね。)
さて、4か月の赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の2.2%がアレルギーに依る物だそうです。 同じように1歳半では、13.6% 3歳では10.4% がアレルギーに依る物と診断されています。 そしてアトピー性皮膚炎はアレルギーマーチの最初の症状なので、この時、皮膚のバリヤー機能が損なわれる事がその後のアレルギーの進展を招く可能性があり、その為、皮膚を良い状態に保つのが重要なようです。 アトピー性皮膚炎と食物アレルギーを合わせ持つお子さんが喘息になる率が高いという事でした。 (アトピー性皮膚炎=食物アレルギーではないので間違えないで下さいね) そして、今後、このいろんな病気が、慢性炎症によって起こるという考えが研究されていくようでした。一説には、自閉症等も脳の慢性炎症という考えもでてきているそうです。 私が若い頃は、喘息 = アレルギー という感じでしたが、今はアレルギー反応の結果起こる慢性炎症が本体とされているんでしょうかね。 早くいろんな事が判り、真相が究明され治るようになると嬉しいですね。 私のバラ科の果物アレルギーも治るといいナ。 子供みたいな事を言うつもりはないけど、 リンゴ、もう一度サクサクって食べてみたいナ。もっと難しい話がいろいろ出たんですけど、難しいからこれにてお終いにしますね。