最近、手足口病の話ばかりでうんざりかもしれませんが、まあ、これが1番多い状況ですのでなり行きで、話題も多くなりますね。 しかし、今日の話は、グッと学問的なんですよ。
何十年も前から、東南アジアで、手足口病の重いケースが出て、発熱したり、果ては脳炎を併発したりする事がありました。 その頃日本では、手足口病は軽い物で、発熱も少なく、少々他人事的でしたが、その後日本でも発熱するケースも増え、油断できない感じになってきました。 特にこの数年、私も、手足口病が変わってきているのではないか、と考えていましたが、一昨日届いた医学誌に、論文が載っていて正にピッタリだったので嬉しくなってしまいました。
手足口病、とは、1961年に最初に医学的に報告された夏感染症で、主に乳幼児に流行するとあります。 原因は、 コクサッキー というウィルスの A 10、16 エンテロ というウィルスの 71 等で、3種類がありました。 だから、ひと夏に何回か罹るんです。 これらのウィルスが数年毎に流行の主役になっていたんです。 ところが2011年の夏には、これとは違う コクサッキー 6 というウィルスが手足口病の原因として検出され、これが熱が出たり、口内炎が酷くなる犯人という事です。 私としては、ヤッパリね、 という感じで嬉しくなりました。 大賛成、と言いたい所ですが、これは科学的な真実ですので、賛成もヘチマも無い事ですから、拍手! というべきでしょうかね。 それまでも、この新しい犯人はあったのでしょうが、医学的に大きな流行の原因として、また、やや重いケースの原因として検出されたんですね。
そして、面白い事に、この新しく手足口病の原因として認められたウィルスは、ヘルパンギーナ という熱が出たり、喉の口内炎が酷い病気の原因でもあるというのです。 つまり、これまでは、 手足口病とヘルパンギーナとは明確に別の病気でしたが、同じ原因の病気で現れ方が違うだけだという可能性も出てきたんです。 さあ、そこで問題は、どのウィルスに罹ってなったのか診察しても見えるはずはありませんから、最初、手足口病のような感じだとしても、結局はヘルパンギーナだったとか、どちらか不明とかいろんなケースが出てくるという事ですが、これはあくまでも医学的な話でして、どちらでも治療は変わりませんから、大丈夫というか、変わりは無いのです。しかし、最初、手足口病 と診断されても、ヘルパンギーナ だったと言うと随分と違う印象ですよね。 現在行われている子供の病気の統計でも、この二つは違う物として集計されていますが、将来は変わるかもしれませんね。