日本人は、熱性ケイレンが多い民族です。遺伝子が関係するので、親御さんが、ケイレンした事があったりすると、可能性が高くなります。 お子さんがケイレンするとママは、心臓がひっくり返るほど驚きます。 心配するでしょうし、コリゴリと感じると思います。 いくら病院で、何の害もありません、と言われても、イザわが子がケイレンするのを見ると心穏やかではいられませんね。 病気の種類によってもケイレンが多いのですが、いきなり高熱を出しやすい物、インフルエンザとか、突発せい発疹 が有名です。
さて、熱性ケイレンは、 ”6か月から5歳まで” です。 5歳すぎたら絶対しないという訳でもありませんが、グッと減ります。 38度以上の熱が出て、他にケイレンするような病気が無いというのが条件ですが、従来、熱性ケイレンのあるお子さんは、解熱剤を使わない方が良い、と言われてきました。 それは、解熱剤を使うと一旦効果が出て、体温が下がるのですが、効き目が切れた時、急速に熱が上がり、その時、ケイレンする可能性が高いと言われてきたんです。
ところが、数年前に、この件について研究され、そのような事実は無く、解熱剤を使っても、使わなくてもケイレンには関係無いと判ったのです。 そこで、今回 「診療ガイドライン」 にケイレンと解熱剤は関係ないと明記されました。 使うのを勧める、という訳でもないのですが、ケイレンするから使えない、という訳でもありません。 小児科医の3-5% が解熱剤を一切使わないという方針なのですが、その根拠は、お子さんの体が病原体と戦っているから熱が出るので解熱剤を使う必要は無いと言うんです。でもここで、38度以上になると、お子さんの呼吸も脈も速くなり、顔も真っ赤になってフーフー、体力消耗、脱水の可能性も高まるのですから、使った方が楽だと思いますよ。ですから、ケイレンのあるお子さんも解熱剤を使った方が良いと思います。ケイレンを悪化させるんでしたら、問題ですが、そうでは無いと判ったんですからね。ただし、低い熱でやたらと使わないでくださいね。