ママから、アレルギーについて書いて欲しい、とう要望がありました。
アレルギー、というのは、人間にとって良くない反応の事です。 勝手に命名したのですが、人間のすることですから、勝手なのね。 さて、このアレルギーは、随分昔からありまして、紀元前から当時の医学書に乗っています。 Someone’s hood is someone’s poison. つまり、ある人にとっては、食べ物でも、ある人にとっては毒となる、 というのです。 今で言う食物アレルギーです。
しかしここで言う食物アレルギーは、現在の概念とは違うかもしれません。 しかし、毒、とあるのは、そうとう重症な感じですから、ショック死かなんかかもしれませんね。そんな酷いケースは多くは無いのですが影響甚大です。今、ママの皆さんが知りたいのは、そんな重いケースでなく、圧倒的にアトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関係なので、今日はそれについて書きますね。
初めて赤ちゃんができると、ちょっとした事でもとても気になります。 近年、アトピー性皮膚炎が重症化して問題になり、その原因として食物アレルギーが取り沙汰されたので、ちょっとした湿疹ができると、すぐ、アレルギーか? という訳です。しかし、これはバカげていて、重症のアトピーの一部に食物アレルギーが関係している、というのが現在の見解です。また、原因は、それだけでは無くもっと複雑です。アレルギーの遺伝子、乾燥肌の遺伝子、環境、生活習慣等が複雑に関係していて、なかなか一筋縄ではいかないのです。
さて、このアトピー性皮膚炎イコール食物アレルギーという考えが行き渡ったのには、30年まえから、育児雑誌ができ、それで盛んに宣伝された影響もあると思われます。 そこで、検査して、疑わしい食べ物は除去するという考えが広まりました。その結果、過度の除去で、栄養失調になって、発育が悪くなってしまう子供が増え、社会問題となりました。 しかし、そのようなお子さんのママは、説明しても我が子のアトピーを直したいので、必死ですから除去に一生懸命です。その気持ちもよく判ります。しかし、不必要な除去は良くありません。まして育って行く子供の事ですから、除去は必要な物だけにするべきです。
そんな中、食物アレルギーの診断がなかなかうまくできないので、小児科医は苦労していましたが、結局、現在でも、絶対確かという検査は難しいです。 大きな病院で、疑わしい食べ物をその場で食べてみる、というのが最も確かですが、危ないので、大きな専門の所でやりますよ。
早く、安全で確かな検査方法が確立されると良いのですが、今は参考に、血液の中の抗体を測ったりもします。これは日本人の偉い先生が発見した方法ですよ。それについてはいつか書きたいと思います。この検査はあまり年齢が小さいと当てになりませんので、生後半年位からの方が良いかと思いますが、重い子は検査します。 長くなりましたので、続きはまた、第2部にしましょう。