さあ、私の沢庵さんの運命はいかに?
年末になったので、どうなったかしら?とワクワクしながら開けてみました。 おもむろに食べてみたら、あまり美味しくありません。何かが足りない感じです。食べられない事は無いという程度です。 ウーム。 生涯初めての、沢庵は失敗だったか、とたいそうがっくりしました。しかし、なんと言っても、100本もあるんですよ。 困った事になりました。
これは家族に知られたら、マズイ。 そこで、ナイショで、失敗の沢庵を食べるのですが、美味しくないので、ちっとも捗りません。 困って、お友達にもあげるのですが、歓迎されない感じです。 大体、何かあげて、すぐお礼を言われれば、美味しい、気に入ったって事ですが、何も言わない場合はダメだったって事ですよね。かなりダメな感じです。 そもそも、作った私が食べても、何か足りない、と言う感じなのですから仕方が無いわね。 考えてみたら、旨みが足りないのです。 日本料理って、旨みが大切でしょ。カツオ節と昆布の出汁に代表されるアレですよ。 またまた、考えてみて、どうも糠が足りなかったらしいと思いました。 だって、ヌカミソって糠で美味しくなるでしょう。 あれですよ。 しかし、生まれて初めての事ですからしょうが無いわね。少々の不出来は我慢です。糠が余ったのは、おかしかったのですね。もっとばらまけば良かったのです。
遠くの友達にも、話したら、クール宅急便で送って、と言うので、1500円だったかかけて送ったのに、何も言わなかったから、美味しくなかったって事ね。 まあ、しょうがない。
さあ、それから、暫くほっておいて、また食べてみたら、今度は美味しくなっていました。 あー、良かった。たべられるわ。 そこで、朝から晩まで、沢庵ばっかり。 朝は沢庵の刻んだのを、お湯をかけたご飯と食べます。夜も食べます。
2週間も3週間もこれをやっていたら、さすがに飽きてきて、プッツリと食べなくなりました。
また、暫くほって置いたら、何だか春になって温かくなったので、大変です。腐ってしまう。 そこで、昨日また、出してみました。今度はもっと美味しくなっていました。 どうしてかしら? 不明ですが、長い時間で発酵したのかな? とにかく、また少し、美味しくなったので、再び朝から晩まで、食べていますが、まだあるの。 困ったわね。腐らない内に食べられるかしら?
今日診察に来た方に、 「本当はここで配りたいの」 と話したのですが、配ったら、笑われるでしょうねー。そんな、病院はありませんね。聞いた事も無いわ。臭いからビルの持ち主には怒られるでしょうしね。でも自分で作った物だから愛着があって、捨てたくないのです。 後何本あるか判らないのですが、セッセと食べますね。 今度の冬はもっと上手にできると思いますよ。 大丈夫。 しかし、100本は多かったわ。 本当は美味しくできるから、いろんな人にあげようと思って100本も漬けたのです。思惑は大外れで、貰い手もごく少数でしたが、なんのなんの、これしきで参る渡辺ではござらんぞ。今度はきっと上手に漬けてみせますよ。その時に美味しいから頂戴と言ってもあげないわよ、というのはウソで、きっとまた100本漬けて、みんなに 「ねえねえ、沢庵要らない?」 って聞いて回って笑われるでしょうね。さて、そんな訳で、 暫くの間、私が沢庵の匂いをさせていても勘弁して下さい。 これが私の、沢庵のお話です。