院長ブログBLOG

くる病が増えている。

学会でのお話で、これを書くのを忘れていました。 大変、大変。

くる病って知っていますか? 殆ど見られないので知らないでしょうね。 私も医師になって一人見たことがあるだけです。 骨が発達しない病気で、ひどい O 脚や関節がコブのように膨れたりして、背が低くなってしまいます。 昔は、東北地方等に見られたと習いましたが、随分昔の話です。日照時間が短くて、赤ちゃんを殆ど放置していたからでしょうか? その頃は、貧しくて満足に食べられなかったので、赤ちゃんの世話もできなかったのですね。 かわいそうにね。

さて、骨の発達に必要なのは、 ビタミン D  とカルシウム、 リン、 マグネシウム 等ですが、カルシウムは皆さんよく御存じですよね。 しかし、 ビタミン D も大切で、これが無いといくら カルシウムがあってもうまく骨にくっつきません。 鉄筋コンクリートの建物で、鉄筋だけで、コンクリート無しになるイメージです。 リン や マグネシウム はほんの少しで良いのです。 そこで、カルシウムが大切というのは有名ですし、牛乳に含まれているので子供に熱心に飲ませたりしますよね。 しかし、ビタミン D が無いといくらあっても利用されないのです。牛乳は、カルシウムは含んでいますが、ビタミン D はゼロです。

それでは、ビタミン D  はどこから来るのでしょう? これには、2つの方法があります。 一つは、ビタミン D  が含まれている物を食べるか飲むかする事です。 もう一つは、日光にあたる事です。 紫外線に当たると、皮膚で ビタミン D  が合成されます。

くる病が増えたという事は、この二つのどちらかが異常に少ないか、両方が少ないかですが、近年子供のくる病が増えたのは、両方が少ないというお話でした。

赤ちゃんの場合は、まず母乳です。 母乳が素晴らしいという宣伝が行き渡りましたが、それは、母乳が完璧という意味ではありません。 母乳には、 ビタミン D  はとても少ないのです。 母乳さえあげていれば、完璧という誤解があっては困りますね。 ミルクには、多く含まれています。 (添加している)

もう少し大きい子の場合は魚離れです。 魚を食べる回数が少なすぎるのですね。 若い方は、魚料理はしないようです。 魚にはビタミン D が多く含まれるので、週に2回位魚を食べると良いそうですよ。

そして、日光です。紫外線が有害という情報が行き渡ったので、紫外線に当てないママが多くなったのも原因の一つという事でした。 昔、日光浴となっていたのが、今は外気浴となりましたし、日焼け止めを赤ちゃんにも塗る時代です。 しかし、何事も行き過ぎはダメなようです。 全く紫外線を浴びないのでは、ビタミン D ができません。モチロン、浴び過ぎもダメです。 白人は、紫外線は健康に良いと言って、特にヨーロッパの北の方の人は、日光浴が好きですね。 ソバカスが凄かったりしますが、冬、全く紫外線を浴びないからだと思います。 それに比べたら日本は一年中、紫外線、というか日光は充分だと感じます。夏なら、10-15分、冬なら1時間で良いから日光を浴びて下さい。 目は浴びないでね。 顔は陽に当たらないようにすれば良いと思いますよ。 それに、特別、日光浴なんて言わなくても、ちょっとお買いものに連れて行くだけでもそれ位になるでしょう。外国では、ビタミン D  のサプリメントをつかっているそうです。 白人は紫外線の害が出やすいので、飲む方法で補うように気を付けているのでしょう。

適度に日光に当てる事。魚を週に2回は食べさせる事。 これが大切なようです。  ビタミン D が多い食品は、魚、卵黄、キノコ です。  くる病の発症は1-3歳が多く、歩行困難、 O 脚等の症状で気が付く事が多いとの事です。

長くなりましたが、最後に、この講演をした先生は女性で、東大の准教授でした。とても嬉しいです。女性もどんどん活躍しているのね。 その先生からのメッセージは ”何事も適度に” でした。 忘れないで下さいね。

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