院長ブログBLOG

腎炎

溶連菌が流行っているので、その後起こる有難く無い病気について書きますね。

先日はリュウマチ熱について書きました。 この病気は防げますので、適切な抗生剤を飲んで溶連菌を早く治す事がポイントです。 しかし、殆ど熱が出ない場合もあって、100% 溶連菌を捕まえて治す事はできません。 ここが難しい所なんです。

さて、もう一つ大切な病気、腎炎について書きますね。 これは本当の名前は、急性 糸球体 腎炎 というややこしい名前なんですよ。 以前は何処の病院でも必ずこの病気のお子さんと、ネフローゼと言う病気のお子さんが入院していました。 あまり特効薬が無いので3か月位は入院していましたね。 かわいそうに、食事の制限もあって、運動制限もありました。親と離れて入院するだけでもかわいそうなのにね。 まだ、この病気の特効薬はありません。

原因はやはり 溶連菌に感染したという事が主なのですが、その後、菌の成分を抗原とした免疫複合体という物が出来て腎臓の一部、糸球体という所にくっついてしまうからなんです。ここは血液から尿を漉しだす重要な場所なので腎臓の働きが悪くなってしまいます。この糸球体と言うところが悪くなるので糸球体腎炎と言う名前なんです。 紛らわしい物に 腎盂腎炎 と言う病気がありますが、これは全く別物ですよ。

症状はなんと言ってもむくむ事ですね。瞼が多いのですが、この頃太ってきたと言ってた呑気な人もいましたので時々気を付けて見て下さい。 後、血尿がでますが、真っ赤ではなくコーラのような色になる方が多いです。 そして、腎臓の働きが悪くなるので尿量が減ります。(だからむくむのですが、案外気が付かないですね) そしてこれらの結果、高血圧となりますが、子供で高血圧なんて滅多にありませんし、あまり判らない事が多いですね。 まあ、むくんだり、血尿が出る等は、お子さんの状態に注意していれば判ると思います。

入院して安静、 食事 (塩分と水分の制限をして腎臓に負担がかからないようにする) で治りは良く、殆どの方が治りますが、溶連菌に罹った後、この病気に絶対にならないようにするのは困難です。

 

 

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